’24年 愛鳥降臨節

ごろう公と花姫(7才) 近況

初代ごろう公は1997年11月15日に我が家にお迎えした。それから、20年近く我が家の天使として君臨し、2017年6月6日のわたしの誕生日に遷化された。私は執念で転生を探して同年8月に道場オカメ・ゼロを二代目としてお迎えした。二代目のお迎えは8月であるが、我が家のお迎え記念日は初代にあわせて11日15日にしている。

 二代目ごろう公も妹の花姫もなんだかんだで今年で七才。おふたりとも元気に暮らしている。初代は一才までは少食で病気がちであったが、二代目ごろう公と花姫の兄妹は体格は小さいながらもこれまで病気もせず、今のところは飼い主を泣かせていない。孝行兄妹である。

 ごろう公はママっ子で私の姿をみるや飛来して体のどこかにとまって一緒にいる。そして花が私の肩にとまると、ごろう公とんできてホバリングしながら花の後ろ頭をけってどかせる。自然界では鳥は女の子が強いはずなのに手乗りはいろいろ狂っている。

 私は「自然のまま主義」なのでごろう公にとくにおしゃべりを教えていないが、わたしが呼びかける時の「ごろうちゃん、おいで」は覚えてくれて、よく私を呼ぶ時に口にしている。しかし、今年の6月頃より謎の言葉を口にするようになった。どう聞いても「ぽにら、ぽにら、ぽにらが食べる」と聞こえる。これは昨年一週間だけお預かりしたY さんちのおしゃべりオカメインコ、ぽにら様のおしゃべりである。

 それにしても不思議。おあずかりしたのは一年以上前で一週間くらい。それがかなり時間があいた後にいきなり話しだすとは。おあずかりの間、ぽにらとウロコインコの硯ちゃんは終始ギャーギャー叫び・暴れ続けていたため、うちの子たちは「なんかうるさい子たちねー、やーねー」と遠巻きにしていた。ぽにらと硯ちゃんは果物やなにやかやいろいろ食べるので、彼らが食べている姿をみせれば、うちの子たちも、つられていろいろな野菜や果物を食べるようになるかと期待したが、ぜんぜんだめ。なので一年以上たって彼らのおしゃべりをまねしだした時には耳を疑った。どうせまねするのなら、言葉でなく、野菜や果物食べるのを真似してくれ。あまりにも「ぽにら」が続くので「あなたはごろうちゃん。ぽにらじゃないの」といってもきかない。人間からの言葉はなかなか覚えないけど、鳥のしゃべる人間語は一年前でも覚えているんだな。

不死鳥ミサヲ様(セキセイインコ♀12才)

 セキセインコのミサヲ様は今年12才になる。一応12才ということになっているが、渋谷東急ストアの最上階にあったペットショップで売れ残っていた成鳥ペアの片割れなので、もしかしたらもっと年齢がいっているかもしれない。手乗りでない荒鳥である。彼女はこれまでなんども落鳥しかけたけど、そのたび不死鳥のように蘇った。ペアの片割れがなくなった時、甲状腺の病になった時、食欲不振の時などこれまでかるくみつもって4回くらい死にかけた。直近では腫瘍ができてお腹が圧迫されフンチがでなくなり死にかけた。しかし、卵を産まない体質だったせいか、お腹に大きな腫瘍をかかえつつも今日も何とか食事してさえずっている。生命力が強い。

 このミサヲちゃん、お迎えした当初は人間がきらいで、敷紙を替えたり、水やご飯を交換しようというとき、ものすごいパニックを起こした。かごに手がはいってなくても。隣の鳥のかごの掃除でも騒がれた時は「あなたのかごじゃないのに」と流石にあきれた。

 なので体調を崩してご飯を食べなくなった時には、捕まえて強制給餌したり投薬したりするかで毎回悩んだ。人間がきらいな小鳥は、手で掴まれただけでもショック死することもあるからである。しかし、弱っていく姿をみると、このままショック死するのも、なにかして死ぬのも同じ。同じ死ぬならなにかして死んだ方が諦めきれると、心を決めて強制給餌したら、案の定すごく嫌がられたが、そのおかげでこれまで死線をのり越えてきた。どんぞこから普通にさえずるような体調にもどるまではだいたい二週間くらいかかる。

 そして病気のたびに人に対する怒りが減じたのか、今は私が手をかごにいれて指を眼の前にもってきてもパニックおこさなくなった。どうも彼女のためにやっていたことが通じていたみたいだ。お腹に大きな腫瘍があるミサヲちゃんはいつまた不調になるかわからない。その時は前回より年を重ねている分、危険度は高い。しかし、ごろう公と花姫は明らかにミサヲちゃんこみで自分たちを群だと認識している。なので、とにかくファミリーのためにできるだけ長くそばにいてほしい。長生きしてほしい。

るり(茶トラ♀15才)かいわい

 ここ半年は幸いにして体調を崩すこともなく、よく食べよく寝ている。11月にはいって猫こたつを出したが、結構温かい日がつづくので上で寝ていることも多い。庭に植木屋さんを入れたら、歩きやすくなったのか近所の飼い猫がうちの庭にやってくる。みると、おもに白い猫とサバ猫の二種類で、このうちサバ猫はルリが体調をくずした時、食べないごはんを外にだしていたら、うちを餌場と勘違いして裏口でまつようになったあの猫である。その猫、二三日前に生きたねずみを裏口にプレゼントしてくれた。お気持ちだけいただいた。

鳥サークル界隈

 最近小鳥サークルの知り合いのMさんとYさんが立て続けに高齢のお母様をなくされた。Mさんは白さんというルチノーオカメインコの女の子をプラケにいれて一緒にねるほど愛でていたが、その白さんが、お母様の後を追うように亡くなられた。

 そしてそのあとYさんのお母さまが急逝された。その1ヶ月後、Yさんが愛育されていたパイドオカメインコのもんじろうくんもやはり持病を再発してなくなられた。

 なくなったお母さんがつれていったのか、それとも愛鳥がお母さんをあの世へエスコートしにいったのか、いずれかは不明だが、残された娘たちは母と愛鳥を失って茫然自失である。30年前に私の母がなくなった時、私は嘆き悲しんだが、いまや同世代みな母親が高齢か鬼籍に入るかで同じ境遇である。さらに、もし今も母が生きていたら、愛鳥をつれていかれる心配をしなければいけなかったが、その心配をしなくてすんでいる。それでよかったと思うくらい心に余裕がうまれた。

永遠に続く嘆きはない。