24 初夏の男前

 春のくるのが遅かった分、三寒四温が落ち着き、強風もおさまった頃、いろいろな花が一斉に咲き始めた。毎年ほとんど花のつかないわが庭のツツジも今年はなんだかすごく花つきがいい。
 室内にいれるのが遅れて、寒さにあたって葉っぱが全落ちした一見枯れ木のハイビスカスにも、ちっちゃなちっちゃな芽がではじめた。

 我が家で初夏の到来を如実に感じるのは、ネコ用こたつをしまう時と、朝のラジオ体操で早起きする時すでにもう夜が明けている時だ。

 そして何といっても初夏の風物詩はごろう公の イケ鳥化である。この時期、嫁探しモード全開で男前度が当社比200%アップするのだ。羽もツヤツヤして、お目々ぱっちりして、親バカではなく客観的にいって爆裂に可愛い(本当なんだ。写真をみてくれ)。

 端午の節句のしつらえにしたインコ神棚の前で二トリがきゃっきゃっ遊んでいる様はもう目の保養というか、目の毒である。

 私は心を落ち着けるためには、いつもごろう公のお姿を観想することにしている。歯医者でイタタな治療をしている時、トイレのない高速バスに乗っていきなりトイレに行きたくなった時、ごろうさまを観想することによって意識は安定する。

 そして、もう一つの初夏の風物詩。何年かにいっぺん出る、止まらない鼻血。直近では五年前の5月に起き、耳鼻科で鼻の中を焼いて止めた。春先に鼻血が出るのは、おそらくは季節の変わり目に体がついていっていないのだろう。

 今回は真夜中に大量に失血したので、耳鼻科もあいておらず不安になり、救急車を呼ぶか迷い、「迷ったらかける」7119にかけた。すると電話口では5つの病院の名前と電話番号を伝え、そこに耳鼻科の医者が当直しているか自分で電話して聞けという。鼻血がとまらなくて脱脂綿で鼻押さえている人に五件も交渉しろとか無理ゲーである。そもそも救急病院で耳鼻科医が当直してること自体想像しがたい(役に立たない7119!)。


 諦めて、とにかく鼻血をとめることに集中する。

 上半身はおこし小鼻をつまみ、口にたまった血を洗面器にはきつづける(飲むとお腹壊すよ)。失血のため血圧がさがってくると鼻血はだんだんおさまってくる。そこですばやく血濡れのパジャマを着替えて、とにかく安静にと横になったら、動いたせいかまた鼻血がでた感覚があった。血をはくためにおきあがると、今度は文字通り漫画のように鼻血をふいて足元に血溜まりができる。

「なんじゃこりゃー」

 このギャグがわかるのは昭和世代のみ。

 翌日かかりつけの耳鼻科医にいき訴えると「そういう時は大学病院の救急にころがりこみなさい。すべての科に当直がいますから」と言われた。近所の大学病院は昨日きいた5つのどの病院より近かった・・・。