仮住まいでひな祭り

 自宅更新中で現在仮住まいの花姫、若干換羽にはいっているにも拘わらず、相変わらず神々しい。そんな姫に、ひな祭りのインコの和菓子をプレゼント。

 ありそうでなかった練り切りのインコをつくっているのは、神奈川県の倉見駅前にお店を構える和菓子處 吉祥庵のご主人。和菓子の品評会でデザイン性を評価され連続七年間も金賞をとっている練達の士。

 ご主人、もともとは日本の鳥、メジロやうぐいすをつくっていたのが、昨年頼まれてインコを作ったところ、全国のインコ好きが異様に反応し、作るそばから羽ばたいていったため、「お客様の声にこたえて」とかいってさまざまな種類のインコや文鳥を作り続けた結果、現在、通販の予約は来月までびっしり(通販の場合は形がくずれるのを防ぐため冷凍での販売となるそうです)。

 吉祥庵のアカウント(こちら)は、その日のインコの誕生数、通販再開などをツイートしているのでフォローオススメします。

 オカメ、セキセイ、文鳥の三人官女ごらんください。私が一時間半かけて店にきたというと、名古屋や栃木などからくる方もいるとのことで、ああ、私のような人は全国に多数いるんだな、ぜんぜん私普通じゃんと自己正当化。

 ひな祭りがあけると、建て替えなった我が家へお引っ越しである。新しい家は地震、火災、台風に強いとのことで、ごろう公(イケメンノーマル)、花姫(ルチノー美女)、みさを姫(オパーリン美女)、るり(茶トラ) がこれから災害で家なき子になる確率は低くなる。また、家の断熱性がよいので、お鳥様、お猫様が夏の暑さ、冬の寒さによって参ってしまうのではないかと心配することも減りそう。この家はごろうと花のために建てたようなものだから、みんな長生きしてほしい。

 ここで目の保養ターイム! 新築祝いにYさんからいただいたごろう公の肖像画。

 この絵を描いて下さった方は馬田 裕次さんという画家の方で、多摩美で絵画を専攻し、カーネーションのベーシストとして活躍した後、日本で唯一の手書きバックスクリーン会社を運営し、中島みゆきなどの著名ミュージシャンのジャケット、フィガロジャポンの撮影背景やホテルオークラ等のスタジオ背景を作り続け第一線で活躍されてきた方です。ごろう様の写真からこの春爛漫のミュシャ風の肖像画を仕上げて下さいました。

 馬田さんはコンパニオンアニマルは無論のこと、人間の肖像画も描いていらしゃるのでオーダーご希望の方はこちらのメアド()にご連絡ください。Y さん、馬田さんありがとうございました。新居によい気が入ります。

 自宅の庭には梅の木があり、母が亡くなった年を最後に、花が咲かなくなっていた。古木になったからと思っていたが、今年は美しい深紅の花が咲き乱れた。なんでだろうと考えてみて理由がわかった。今まで梅の花が咲かなかったのは鳥がつぼみのうちに花をたべていたからだ。

 母がなくなってから私は庭にすずめやキジバトやヒヨドリを餌付けして、寂しさを紛らわしていた。この数十年間、鳥を驚かせないように極力庭にでないようにして、気配を消して暮らしていた(あやしい笑)。

 家を建て替えることになり、まず私が心配したのは庭の鳥たちが食べるのに困らないかということ。私は両隣の鳥好きの方に後事を託して仮住まいにうつった。しかし、古い家を壊し、地ならしをし、新しい家をたてるのは繊細な鳥にとってはおおごとである。鳥は落ち着いて梅の木に羽を休めなくなったため、つぼみがそのまま花を咲かせることができたのだ。

 美しく咲いた梅を見ていると、私の鳥愛が梅の花をつんでいたのかとなんか複雑な気持ちになった。

 せめて半分はつぼみを残してくれないか、鳥に頼んでみようと思う。ひな祭りの翌日はいよいよ新居へひっこし。この家が私とお鳥様たちの終の棲家となる。

一句「これがまあ終のすみかか、鳥まみれ」