慶祝! 25 バレンタイン & 科博鳥展報告
今年も我が家の大黒柱ごろう公に感謝する日、バレンタインがやってきた。私の存在を心から喜んでくれるごろう公の存在こそが、我が家の平和の根幹であり、ひいてはあらゆる善の根源である。

これから一年彼のごはん台となる恒例のゴディバ新旧交代。この箱はくちばしでたたくといい音がし、ごはん台としてもちょうどいい高さ。るりの姉のチビちゃんのママであるKさんからいただいたチョコは、るりからごろう様へのプレゼントということにしてインコ神棚にまつらせて頂く。なかみは人間が食べるので、また止まらない鼻血で死なないようにしなければ。
ごろう様も楽しめるものとしては季節の花束を贈る。グレーのボディーにはピンクが映えるのでピンク系にした。

おかげ様でごろう公も花姫もお元気である。高齢セキセイのミサヲちゃんは換羽と寒波で一時期やばかったものの、乗り切った?ように見える。2009年生まれのるりも結構高齢であるがマイペースに生きている。ドアをあけてほしい時には、小さな声でにゃっという。そういえば私が開けるからである。そのため最近は自分でドアを開ける努力をしなくなり、ニャーニャーいうのでみにいくと、「ねここたつの布団の裾をあげろ」といっていた。それくらい自分でやれ。

●科学博物館 鳥展報告
2月8日に 国立科学博物館(科博)で行われている「鳥展」を鳥友達二人とともにみにいった。まず上野駅をでるとモネ展の人出で、警察が交通整理にでていた。科博は大丈夫だろう、と思いきや、会期末というほどでもないのに入場制限をしている。カップルが目につくので心の中で「デートならモネ展に行け!」と叫ぶ。あと子供が剥製が怖い〜とギャン泣きしていたが、たしかにあれは怖い。ニンゲンでいえばミイラがならんでいるようなものだからな。ピチピチイケイケの生インコたちと暮らしていると、剥製のヤバさがみにしみる。剥製は本物より一回り小さいく羽つやも悪く、なにより鳥のもつ天上界の神々しさがないのでまさに死体。「子供は上野動物園に行け」と心の中で叫ぶ。
今回の鳥博はゲノム解析でわかった最新の鳥の種目わけの披露であった。周知の通り、鳥は恐竜から進化して現在はものすごい数の種目にわかれている(とくにスズメ目が多い)。鳥たちはいった先々の食料事情にあわせてさまざまな進化をとげ、見た目や食生活が同じでも種目はぜんぜん別になるので前世紀の博物学が結構ひっくりかえっている。ちなみに、ハヤブサはインコなんですよ。つぶらな瞳が確かにインコだわ。

観念的な話題以外にも鳥にかんする様々な知識も掲示されている。滑空する鳥の翼と高速にとぶ鳥の翼の比較とか(オカメインコは高速にとぶ方だった。ちなみに羽だけをぶった切って並べるの痛々しいからやめて)、8000mのヒマラヤをこえるヘモグロビンをばんばん運ぶ機能のあるツルとか、浮気性のキジとか、鳥の生態にまつわる知識がためになる。人間とは異なる系統樹で進化を極めた鳥の頭はめっちゃいい。かれらの年をとるにつれて増す理解力、感情表現の素晴らしさは鳥と長年くらしている人はみな知っているだろう。
じつはわたしは東博にはよく行くものの、科博はほんとうに子供の頃、学校の遠足とかでいったきり。ひさびさに科博の敷居をまたいでみたが、改めてみてこの本館はステンドグラスが美しい。調べると1931年に竣工したネオルネサンス様式だという(重要文化財指定)。しかし、内部の老朽化がはげしくてなんか悲しい。鳥友達の一人は子供の頃、毎年ここで遊んでいたというが、まったく変わっていないという。

そこで何年か前のニュースを思い出した、科博は財政がキビしく標本や剥製のコレクションの管理もままならないくらいらしい。2022年、ロシアのプーチンがウクライナに攻め込んで世界に不幸をまき散らしているが、ご存じの通りそのおかげで世界中で光熱費が高騰している(ロシアがエネルギー輸出国だから)。標本や剥製の管理のために空調はかかせないのに、科博は高騰する光熱費が払えなくなった。人間の住んでいる場所の空調をとめて汗だくになってもおっつかなかったのである。そこで科博は、2023年8月7日から11月5日にかけてクラウドファンディングを実施した。
すると総決起した科博ファン5万6000人により目標額を超えて、およそ9億2000万円が集まった。ニュースでは民間に運営を背負わせる日本の文化行政の貧困も糾弾されたが、その後国が心を入れ替えたという話はきかない。外国のようにスーパーリッチのいない日本は国が援助しないとほんま文化がどんどん衰退してく。科学や文化のない国は歴史的にいってもろくな末路はたどらない。文化や環境など精神的な価値を大切にすることは「お金儲け」よりもはるかに豊かな遺産を後世に残すのだから。