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かんのんさま (十一面編)

 Cast: 阿弥陀様 ごろうちゃん / 観音様 るり


(1) 発願

 むか〜し、むかし、観音様は阿弥陀様の前で、「この世にあるすべての命あるもの (有情) を仏の境地に導くまでは、涅槃にはいりません。もし一瞬でも自分の安楽を求める気持ちがおきたなら、この身が千々に砕けんことを」と誓願をたてました。


(2) 救済の日々

 それから、観音様は夜もなく昼もなく人々を救い続けました。ある日「これだけ働いたのだから、もうちょっとの人しか残っておるまい」と岡の上から世間をみわたしました。

(3) 挫折

 その観音さまの眼に入ったのは、信じられないくらいたくさんの人々が救いを求めている姿でした。


(4) 一瞬の気のゆるみ

 それを見た、観音様の心に一瞬、もう救済をやめて涅槃にはいろうという気持ちが生じました。

その瞬間です。


(5) ちゅど〜ん

 いにしえの誓願によって、観音様の体は五尺玉の花火のように砕けちってしまいました。


(6) 十一面に

 それを見ていた阿弥陀様は千々に砕け散った観音様の体を集めて、十一の顔になおし、観音様が時間・空間をこえて人々を救済できるようにしました。

 十一面目の観音様のお顔が、阿弥陀様なのに気がついてくれた?

 これは、観音様が阿弥陀様の愛と哀れみ(慈悲)の人格化した仏であることを示しているのです。



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