02年夏コミ=レポート「花火大会の夜」(2002年8月9〜11日 in 東京ビックサイト) |
一人っ子でワガママ放題に育ったせいか、わたしは人混みが嫌いである。協調性もかなーり、低め。人のいないところいなところということで、研究対象がチベットになったくらいだ。 そんな私がお盆や暮れの最も混みまくる時にお台場に行くのだから、私がまりりんにかける思いがいかに熱いか分かっていただけるかと。しかし、今回は特別につらかった。それは、今回のコミケ行は東京湾花火大会と重なったからである。二時に新橋の駅を降りると、浴衣をきたカップルが大量にゆりかもめの乗り場に向かっていく。これをみればいかに鈍い私と雖も今日東京湾で花火があるのだな、くらいは分かる。 ←名称忘れたサークルのインコ人形(3000円 高いけどカワイイ)。 |
「花火が始まる頃、わたしはもうここにいない」
と平常心を失わないように「ゆりかもめ」にのる。 車内は混み合っているが、太った男性の隣の席が一つだけ空いている。暑苦しいので誰も座らないのだろうが、わたしは夏風邪大王であるため、つつしんでそこに座らせて戴く。やはりお台場海浜公園あたりで、車内のほとんどの乗客−−だらしくなく浴衣をきこんだチャパツ、ピアスの黒こげカップル−−は降車し、がらすきになった車内には、私とか、隣にいる太った男性とか、それまで車内の大半を占めていた乗客とは明らかに年齢もキャリアも異なる乗客が少数残った。これらは体力がないため人混みをさけて終了間際に入場する高齢のコミケ参加者である。 コミケ会場からはき出されてくる大量の帰宅路につく人混みの中を鮭のごとくに逆流しつつ、まりりんのサークルに向かう。今回はすごいです。まりりんの新作は100頁に及ばんとする『あははのカタチ』(1000円)。さらに、今回も「まりりんエコバッグ」(800円)とグッズもあり!エコバッグの大きさは丁度CD何十枚かを持ち歩くのにいいサイズで、まりりんが秘密基地をくいやぶってお姿を現した瞬間をとらえた絵がついている。さらに、世界にたった一枚しかないエコバッグの原画をプレゼントして頂き、カンゲキもひとしお! センセが最近購入したデジカメでまりりんの動画を拝観させていただく。約二分間つづくまりりんの踊りは、後頭部ながら(笑)大変にかわいらしい。マンガが誇張でないことがよく分かる。この他にもオリジナルの四作を収めた『拍档勝利』(1000円)、犬夜叉本『デモノロジー四』(500円)、ワタル本『カトブレパス』(250円)などの新作がスペースには並ぶ。 わたくしは、人混みを避けて午後遅くに入場したため、ついてわずか一時間で閉場となった。さあ、帰ろうかと思いきや、先生から 「今回、花火の見える部屋がとれたんですよ。花火を部屋でご一緒して、食事はトリトンスクエアでしませんか」 とお誘いを戴く。そういえば、アフターコミケのサークル取材をしたことがなかったし、トリトンスクエアも話題になっているが、行ったことない。そろそろこのレポートもマンネリ化してきたことだし、取材になるかな、と招待をお受けすることにした。 これからがまずかった。 まず、五時にビッグサイトを出発し一五分でホテルにつくはずのホテルバスが、来ない。花火の交通規制で大渋滞 ホテルの部屋からみる花火は確かにきれい。しかし、これからどうやってこの埋め立て地から脱出するのか、それを考えると、花火を楽しむヨユウなどない。どのビルの屋上にも、非常階段にも、そして道路にも何かの宗教に魅入られたかのように空見上げる人が群れまくっている。これが花火が終わると同時にいっぺんに地下鉄の駅なり、タクシーなり、レストランに入る訳だ。それは何を意味するか、今晩は移動も食事も不可能ということだ。 花火が終わり人混みがある程度曳いてきた頃を見計らって、表にでた。しかし、地下鉄はそもそも駅構内に人をいれていないし、トリトンスクエアっつったって、トリトンもポセイドンもルカ(古っ)もどこにもいやしない、ただのビルである。だんだん殺気立ってくるイシハマに周りがひいてくるのが分かる。 なぜ、こんな状況にな しかも、子連れで!カップルで! さらに、ハングルや中国語までとびかっているところをみると、世界中の田舎のチャパツがこの埋め立て地に集まっている模様。しかも、みな特に怒るふうもなくこの非常識な環境になじんでいる。結局一駅歩いてやっと地下鉄にのりこむことができ、帰ったのは午前様近くあった。コミケ体験の歴史中、一番長い一日であった。 ↑トリトンスクエアのイルカ=タイル コミケに参加されるオタクのみなさま、東京湾花火祭りがある日には、及ぶ限り速やかに埋め立て地から脱出することをお奨めします。花火に集まってくる人々とコミケに集まってくる人々では波長がまったく違うので混じり合ったら大変な化学反応が起きる可能性があります。 事実、わたしは道行く観光客に思わず自○テ×をかけそうになりました。 |