2001年見てきたかのよな冬コミ=レポート

副題「人として」

(2001年12月29〜30日 in 東京ビックサイト)

暮れも押し詰まった29日と30日、2001年の冬コミの会場のどこを捜してもイシハマの姿はなかった。それもそのはず、イシハマはクリスマスの晩に舅が他界した混乱の中で、冬コミの日程を閉幕日の前日までころっと失念していたのだ。29日の晩にようやく思い出したが、30日の午後にとある野暮用をいれてしまっていたため、狭霧家センセに会う時間はセンセが帰郷のために飛行機に乗る前にしか残されていなかった。イシハマは羽田空港に向かった。今回のコミケレポート、したがってイシハマは全くコミケに行かずに書いてます。しかし、能因法師は白河の関を見たこともないのに名歌「白河の関」を作った。能因イシハマもコミケに行かずに名レポートをものにしちゃる、と言うのは完璧な言い訳である。

←センセの新作アニパロの犬夜叉本(500円)。

 センセが帰りの飛行機に乗るまでの間、お茶しながら今年のコミケの様子を窺う。今回のグッズの新作はファックス用紙で、マンガの新作はアニパロの犬夜叉本とまりりん本『あんよのカタチ』これまでまりりん本は、『働きもの』シリーズ、『まりりん日記』シリーズ等とシリーズものが多かったが、ここのところ「あ◎のカタチ」で、◎部分が変わるというタイトルが続いている。三作目ともなるとシリーズ名をきめねばなるまい。そこで、勝手に「あいのカタチ」シリーズと命名。犬夜叉本には時間がかかったため、入稿日が大幅に遅れ、仕上がったのは5日遅れのクリスマスイブ。入稿日が一日遅れるたびに5パーセント加算される料金は・・・・。そういえば、私の舅がなくなったのはクリスマス・・・。そして、スタッフの一人(あえて仮名)はクリスマスに解雇されたという。みんなカタギでない年の瀬である。

 さらに先生から脾臓、もとい秘蔵のまりちゃんのお写真や、マンガの中でもネタにされていた、まりりんが噛み壊した眼鏡などの宝物を拝観させていただく。左が件の眼鏡である。まりりんは眼鏡の中央をくわえては落としして遊んだ後、つるの間にまわりこんで鼻押さえを噛み壊したのだそう。賢いわ。

 また、右はまりりんの秘蔵写真を本ページのために特別にアップさせて頂いたものである。みたまんま「トイレットペーパーとまりりん」である。まりりんは一才の頃からトイレットペーパー回しをはじめて、現在も興が乗ると部屋の中をいったりきたりしながら何キロもおすのだそうな。また、まりりん写真を見て驚いたことは、うちのごろうとまりりんの何とそっくりなことか。母親の私ですら区別がつかない。幼い頃に生き別れた双子の兄弟みたい。


 と、感心していると、センセの乗る飛行機の欠航を告げる場内アナウンスが。一斉に固まる私たち。それから、センセと同郷なので一緒に帰るMさんがチケットの払い戻しと今晩泊まるホテルの予約におわれまくる。

 そういえばこのMさん。センセとは学生時代からのつきあいなので、さぞかし息があっているかと思いきや、これが全然。センセが「時計を確認して」とジェスチュアで伝えると、Mさんはケータイのメール確認をするという具合。センセは割ときちんとしたがるタイプなのだが、Mさんは物事を気にしないタイプ。Mさんの靴箱の入った紙袋をセンセが空港に持っていくように頼まれたのだが、その紙袋には、靴の片方だけが靴箱にはいっており、残り片方は紙袋にそのままつっこまれていたという。学生時代にMさんの部屋に泥棒が入った時には、泥棒が金目のものを捜すに事欠いてゴミ袋をあさっていたというから、お部屋も推して知るべし。私はMさんと同じ血液型でかなり大雑把な方なので全然違和感はないが、センセの感性とは随分違うカンジ。

 本日のセンセのファッションはワインレッドと黒を基調にしたすてきなもの。さらに、私がスコットランド土産でプレゼントしたケルト十字をつけてきてくれて、とても嬉しい。そんなオシャレなセンセがMさんのファッションセンスについて「ちょっとあれはないでしょう」と私に同意を求めるが、Mさんが濃紺のダウンジャケットにオレンジに白の水玉のバッグを合わせていたとしても、私に何のコメントができようか。

 さらにセンセから「Mさんは◎×▽のコンサートのためすぐまた東京に来るんですよ」と言われても、「◎×▽かあぁぁ」と心の中で思いつつも、「人それぞれだし」と曖昧に応答。見れば、お見送りに来ているお友達もみなマイペースな人たちばかり(オノレもじゃ)。こんなバラバラの私たちが出会って友達になっていくのだから、コミケという「場」は不思議なものである。

 最後に、今日の先生の名言。

 イシハマが「飛行機欠航になってまりちゃんが心配じゃないですか?」と尋ねると、先生いわく「母が朝、窓を全開にしてまりを逃がすかもしれない。母は全然気を付けない人なんです」さらに、「私いつも母にこういっているんです。『もし、まりりんを逃がしたら、その逃がした窓(註:マンションの八階)から、突き落としてやる』って」って、オイオイ・・・・。