ケータイに負けるな同人マンガ!

ずぶずぶのシロートによるアニパロ考現学

コミックシティ=レポート

(2001年5月5〜6日 in 東京ビックサイト)

 昨年のコミックシティは、閉場間際に到着するという失態をおかしたので、今回は大事をとって開場後一時間の十一時着をねらってウチを出た。去年は大層な人出で閉口したので、悲壮な覚悟で家をでたが、意外や意外、ゆりかもめの混みようも、お台場の人でも去年にくらべて全然マシ。一台もまたずにゆりかもめに乗れた上、席までとれた。この人出の増減をみると、日本中至るところにあるテーマパークが、最初の一年しか人がこなくて二年目以後から閑古鳥がカーカーとなき、しまいにゃトーサンするというのもむべなるかなと思う。

 最近、ニュース番組で「若者がケータイにお金と時間を使うため、マンガが売れなくなっている」という話も聞いていたので「この分だと会場にも楽勝で入れるね」とたかをくくる。

 しか〜し、そうはいかないのが世の常、ビッグサイトまできてみりゃあ、「コミックシティ一般入場の方はこちらに回ってください」との誘導が、そして指示通り歩いていくうちに、↑のような埋め立て空き地横、行列にたどりついた。入場制限だよ・・・・。ビッグサイトを全館使用するコミケと違い、コミックシティは東館しか使用していないので館内通路を摩耗させない意味もあるんだろうなあ。はやりすたりでお台場の人出は増減するが、ここは変わらぬ固定客の山。

 さて、まりりんのスペースに直行。今回の新刊は新シリーズ(になるのか?)『「あ」のカタチ』70頁に及ぶ大作である(タイトルをクリックしてくれれば紹介文にとぶよ)。残念なことに今回は狭霧家センセはお出ましにはなってらっしゃらないが、わたしのようなものにまで←おみやげを用意してくださっていた。そう、愛くるしいノーマル・オカメインコぬいだあっ。常々思うんだけど、センセはイベントでスタッフや読者さんとのコミニュケーションを本当に大切にされる方だ。かえって、こっちが恐縮してしまう。

 さて、スーパーコミックシティ報告

 このイベントは五月の五日と六日にわたって行われているのだが、初日は創作モノ、二日目はアニパロ(最近やっとアニメのパロディの略であることに気付く。自分で気付いたのよ。誉めて!)とジャンルが分けられている。今日は六日なのでアニパロの日というわけで、アニメをほとんどといっていい程みない私にとてもまともなレポートがつとまるわきゃあない。しかし、素人がみる目線にはプロにはない新鮮な目の付け所があるはずである(←言い訳)。

 一口豆知識:アニパロとはいっても、原作はアニメだけとは限らない。マンガの場合もあるし、実写ドラマの場合もある。○森嬢の話しによると、野球選手や政界ものもあるそうな。ゲゲゲゲッ、じゃあじゃあ、「小泉×真紀子本」とか「野中×森 本」とかあるわけかあ、誰が読むんじゃそんなもん!しかし、読んでみたい気もするぞ?!!

 さて、会場を見回すとまあ、みごとに女性ばかり。まず売り手の殆どが妙齢の女性で、買い手も殆どが女性であります。トイレの行列も女子トイレのみが長蛇の列。年頃のおなごがGWにこんなに一カ所に集中して、同じ数だけ妙齢の男性があまっているのかと思うともの悲しい気持ちすらする。

 この女性の異様な多さには理由がある。それはね、今回この会場で売られているアニパロの多数が♂×♂カップリング本だからなのである。

 具体的に説明してみよう。すこしストリートを歩くとすぐに目に付くのが「いるか×A」本ありマス」などのA×B本というチラシ。これまでの私なら、「まあ、イルカの本だなんて、ヒーリング系かしら」とかのたまっているところだが、同人即売会にそんな健全な本がならぶわきゃあない。聞くと、イルカとは『少年ジャンプ』に連載している「なると」なるマンガに登場するキャラであり、「イルカ本」とはイルカと別の登場人物を原作にはないカタチでカップリングさせた(しかし組み合わせは殆ど♂×♂)内容の本なのである。女性しか買いに来ない訳だ。ということは男でこういうのを買っているのはどういうヤツだーっ。

 ちなみにアニパロ界にも栄枯盛衰があり、今回の「なると」のように一気にブームとなることもあれば、以前ブームをはくしたが今は廃れるているようなジャンルもある(もっとも名作は残りつづけるが)。まりりんの作者狭霧家センセは、ワタル本とデジモンアドベンチャーのアニパロを出品されているが、デジモンはともかくワタルなどは13年も前にかかっていたアニメであるから、先生の思い入れの深さがよく伝わってくる。

↑売り手も買い手も見渡す限りオナゴばかりじゃ。

 通のお嬢さんから、お話を伺う。アニパロの作者さんが原作とおつきあいをするカタチは男と女のそれにも似ているという。一人の男性と何年でもじっくりおつきあいするのが好きな女性もいれば、短期間にはやり系の男性を何人もわたりあるく女性もある。生き方はそれぞれだからどちらがよくてどちらが悪いということもないが面白いたとえである。

 また、読者とアニパロとの関係はと言えば、作者が好きで原作のいかんを問わず買う場合と、オリジナルが好きでそのパロディを買い広げていく場合の二種類があるそうな。狭霧家嬢のスタッフ、おりぽんさんは前者で、O森さんは前後まじったタイプらしい。

 うーん、こうしてみると同人の世界も深いのう。セキセイインコのミキヒサ君の具合が悪いのでそうそうに辞去したが、今度くる時は一つくらいはオリジナルの知識を身につけていこう、でなきゃ話しにならんわと悟ったイシハマだったのであったった。

 

↑今回目につく「なると」のシマ        ↑カタログの表紙は同人界出身の高河ゆん