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きっとある、きっとある
チベット医学は、インド(ラダック、ザンスカール、ヒマーチャルプラデーシュ州のヒマラヤ地域、シッキム)、モンゴル、中国(西蔵自治区、青海省、四川省、甘粛省、雲南省内の蔵族自治州・自治県)、ロシアのブリヤート共和国・カルムキア共和国・トバ自治県、ブータンなどのチベット文化の影響を受けた人々の住む地域において、現在も臨床で用いられ、かつ研究されている伝統医学であり、一部のチベット薬は世界市場に進出して一定の評価を得ている。
チベット医学はインドのアーユルヴェーダ医学や中国の伝統医学の影響を強く受けている。とは言え、その根本に仏教思想を据えていること、チベット高原の豊かな動・植物相は他の医学にない豊富な薬材をチベット医学に提供していることなどから、それら近隣の伝統医学と一線を画していることは明らかである。それにもかかわらず、現在チベットという国が存在しないことから、チベット医学は中国国内においては中国医学の一部として扱われ、また、インドにおいてはアーユルヴェーダの影響を過大視しつつ説かれる傾向がある。そこで本書ではチベット医学のオリジナル性がはっきりとでている薬材に焦点をあて、その味や効能の解釈もチベット医学の古典的な注釈書に基づいて行う事に留意した。
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