[マスコットキャラごろうちゃん | 前のページ| 次のページ]
ナレーション:この冬、母は博士論文の出版準備に追われていた。予算を減額されたのと、内容がアレでコレなので、版下まで自前で作ることとなり、その版下作りは当然のことながら、理系の版下ソフトTeXを使える父の任務となった。父母がともにこの作業に従事していたため、家の中は足の踏み場もない程汚れ、食事は外食の連続であった。
(父)「あなた!本当に状況を理解しているの?あなたが早く内容固めてくれないから、僕は書店に持っていく前の日はいつも徹夜じゃない!」
(母) 「そんなこといったって、こっちは文章作ってんの! オリジナリティーのあることやってんの!やれと言われてホイホイ文章書ければ苦労ないわ。ここでごろごろしているのも意味があることなの。アルファ波が出るのを待ってるの!」
(父)「どうせそうでしょうよ。僕のやっていることは印刷屋のオヤジでもできることですからね。」
(母) 「あんたがTeXみたいな理系のソフトで始めるから誰にもたのめなくなったんじゃない。」(以下続く・・・)
ごろうちゃん「巷に雪の降るごとく、我が心にも雪が降る・・・。それにしても麗しい夫婦愛だねえ・・・。おおっ、一句できた。ぼた雪や、仕事山積み、後もなし」
ナレーション:そこには、風雅に墨絵の世界に溶け込むジャパニーズ=オカメインコの姿があった(こんなことしてるまに仕事しろよ)。
[マスコットキャラごろうちゃん | 前のページ| 次のページ]