コミックシティ=レポート

現代版女護の島の巻

(2003年5月3〜4日 in 東京ビックサイト)

 東京湾がドブくさくもかぐわしい五月晴れの四日、今年もつつがなくコミックシティが開催された。コミックシティはビッグサイトの東棟のみの開催となるので、入場者はビッグサイトの外側をぐるっと一周した東棟の一階裏手から入る。しかし、今回はいつもよりさらに回り込み新しくできた海際の歩道橋をわたって二階からの入場となった。

 まず、撤収の早いサークルから。オカメインコとは離れるが、個人的興味で最近はシャーロックホームズのサークル「英国謎的倶楽部」におじゃましている。ホームズがライヘンバッハの滝におちて行方不明となった三年の間、じつはホームズはチベットにいたという。そのようなご縁で最近通いだしたサークルである。サークルの主宰者のとおのはるみさんより、ありがたくも新刊をちょうだいする。

 さて、まりりんのスペースである。今回は新シリーズ『遊びの王様』(500円)が入った。私個人のヨロコビを述べさせてもらえば、まりりんのまあるいお目目が一部手書きになっていたこと。狭霧家嬢がいっとき腱鞘炎であらせられたため、まりりんのおめめは久しく手書き線ではなかった。しかし、今回はあたたかい手書き線に戻っていたのである。うれしい。内容も「決断力のない鳥」「ねらっている鳥」などで、まりりんの深さがよく出ている。ん? サークルの机の上に何か告知が。前回出品のガンダム本に何か問題があったらしい。よく読んでみると、狭霧家嬢が前回の表紙デザインが「何か違う」ということで、納得のいく形に直して今回新しく出品したらしい。写真に新旧二冊を並べておいたので、比べたい方はどうぞ。前回購入の方で、希望者にはお取り替えする、とのことであるが、オタクは比較のため二冊もつだろうから、この告知意味はなかろう。

 スーコミは参加者もサークル側も、99.999%が女性である。そのため、あの(色と欲にとりつかれた)男波があつまる時に発するクッサイ臭いに悩まされることもない。

 また、女性が売り手買い手に集まる結果、出展内容もコミケとはずいぶん異なり、手作りのグッズが質量ともに充実している。手作りの一点ものが手に入るという魅力は同人イベントの神髄であるが、それが存分に味わえるのである。おりしも流行っているビーズアクセサリーなどは、プロはだしの一点ものが破格値ででていた。わたくしはもちろんオカメインコグッズの一点ものを探す。今回は酔っぱらいオヤヂおかめのついた小箱をゲットした。

 この作品を置いていたサークル「はあ、こりゃいんこ」は(前回まんがを紹介した)のグッズにはほかにも爆笑ものが多かった。たとえば、ヤンキーの格好させたオカメをかごに入れて「カンベツ」と名付けた粘土細工とか(笑)。

 女性の細やかな手先で作られる、インコやネコのグッズは一見の価値あり。

 同人イベント初心者は、コミケよりもスーコミの方をオススメする。